私がカフェをやることにした今までの道のり

私は旅行会社で働いていた。

正直、今の仕事も
今までの仕事も何でも良かった。

お給料の金額だとか
私に出来そうな仕事かどうかとか

まあ、あるものの中から選ぶ、場所から選ぶという感じ。

仕事に熱意があるときもあるが
特にやりたいという仕事はなかった。

そんな私が
やりたいことを見付けたのは

会社でコーヒーマシンで
コーヒーを淹れることにしたときだった。

市内に自家焙煎のコーヒー豆屋さんがあって
そこのお店は前に友人の付き合いで行ったことがあった。

そのお店でコーヒー豆をコーヒーマシン用に挽いて貰って買ってきた。

コーヒーマシンで淹れただけでも
本当に美味しくて
経費削減でインターネットで買った安い豆がもう飲めないくらい、今までコーヒーがすきと言って
缶コーヒーばかり飲んでいたときの味はもう別物だった。

仕事中にコーヒーを淹れる回数は
どんどん増えていき
社長に喫茶店でもやれば?と皮肉を言われるくらい。

でもそれが転機になった。


本当に社長の言うように
すぐ側のイベントスペースで喫茶店でも出来たら意外と良いかもなぁと思い始めた。
コーヒーマシンで淹れたコーヒーを飲むのが日々の楽しみになった。

豆を挽くミルも買って
エスプレッソマシンも買って

コーヒー豆のストレートを買ってきて飲み比べたり
ブレンドを作ったりするのが趣味になった。


そんな頃、東日本大震災が起きた。
家でもコーヒー豆を買ってきて



私の務める旅行会社はその年、予約が多くて忙しかったのだが
ほとんどキャンセルになってしまった。

そして経営が難しくなった会社を辞めることになった。

茶店で働きたかったのだが
田舎に住んでいたので

短い時間のパート勤務、
軽いバイトくらいしか求人もなくて

個人でひとり、ふたりでやっていて
求人も出さないようなお店も多かった。

そして私はお菓子工場に就職した。
生活の為の仕事なので
正社員である程度まとまったお給料を貰える中で
なるべく喫茶店に少しでも近いことをやりたいと思った。

これが私が初めて
自分がやりたいと思った仕事だった。

それまでは
細々した仕事やチームワークや安い賃金や早く動く仕事、飲食店勤務等、絶対やりたくない、出来ないと思っていた。

お給料は旅行会社と同じだったので
金銭的には問題なかったが
私の苦手としてきた作業が山盛りの
工場で働いてしまった。

やりたいことの道になることなら
色々勉強したい、経験したい気持ちがあったので
辛いときも頑張れた。

夢があると頑張れる。


初めて身をもって知った。

その後は
関東へ引っ越したとき
飲食の派遣のバイト、
念願のカフェバイト、
北海道へ戻ってきてから
お菓子販売、
個人の喫茶店勤務
をしてきた。

楽しい仕事も中にはあったが
辛い環境の仕事も多かった。

楽しい環境ですきな仕事をやっているときは本当に幸せだし
辛いとき、本当に、夢があるとないとでは
支えが全然違うなと思った。

そんなとき、父が家を買って
実家から引っ越してしまった。

築30年は越えているが
まだまだ住める家がダメになってしまうのは勿体ない。

家は人が出入りしないとダメになってしまうそうなので

私達兄弟が誰が住むか考えた末、私がカフェをやることになった。








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